主旨
京都市民が100年先の京都の景観を守ろうと維持してきた新景観政策を反故にし、京都中央郵便局を高さ60mの超高層建築物に建て替える計画は、京都市の広報記事など全てで「京都プロジェクト(仮称)」と呼ばれています。一般市民には中央郵便局建て替え・高層化プロジェクトであることが隠されています。
長年にわたる議論の結果生まれた、建築物の高さ制限などを伴う2007年制定の京都市の景観政策を、京都市民への広報並びに議論なく、なし崩しにするのは許されません。
京都では、1980年代後半から90年代前半にかけて、ホテルオークラ(旧京都ホテル)とJR京都駅ビルの60m高層化が相次いで計画されました。これに対して京都の歴史的景観を破壊するとの批判が市民の間に大きく広がりました。こうした高層化反対の市民世論が広がる中で、ホテルオークラと京都駅ビルを除きJR東海道線の北側で、30年間以上、45m超える高層ビルは建てられていません。
2007年に京都市は新景観政策の実施に踏み切り、景観保全のために市内全域で建物の高さ制限を強化し、現在では市内中心部で31mを超える建物を新たに建築することは許されません。
しかし、京都市内での高さ規制を強化して京都の歴史的景観を保全しようとする市民と行政の努力に逆行し、京都市内に再び60mの超高層ビルを建築しようとする計画が浮上してきました。
それは、JR京都駅前の京都中央郵便局を、運営会社の日本郵便株式会社と京都駅ビル開発会社が地上14階建ての複合ビルに建て替える計画です。
この複合ビルは京都駅ビルとほぼ同じ高さの約60mで、新景観政策による市内の高さ規制31mを大幅に超えるものです。
日本郵便株式会社などの開発構想届によると、郵便局と隣接する立体駐車場を合わせ約10,000㎡の土地に、地上14階、地下4階のビルを建設するというものです。このビルにはホテルや事務所、商業施設など入る計画です。
しかし、京都ではオーバーツーリズムが深刻な問題となっており、これ以上ホテルを建設することには大きな疑問があり、宿泊施設があふれる京都駅前にホテルが入った高層ビルを建設することが京都の都市再生につながるとは到底考えられません。
2025年5月
講演・イベント資料
参考資料
- 京都市ホームページ 環境影響評価準備書公聴会の案内文
- 京都プロジェクト(仮称)に係る環境影響評価準備書要約書
2024年11月 日本郵便株式会社主催 説明会時に配布された資料 - 第1回京都駅前の再生に係る有識者会議の開催について(京都市情報館)
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000340476.html
2025年4月17日に開催された「第1回京都駅前の再生に係る有識者会議」の議事録・資料がダウンロードできます。
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